手狭になった園舎の増築と、和太鼓練習 場の新設を目的にした、防音遊戯施設です。
増築園舎の遊戯室の梁間隔(スパン)は約10mあります。
今回は、集成材に頼らないでスパンを飛ばす工法を検 討し木材のめり込み耐力で支え合う「支点桁工法」を採用しました。支点桁工法は、空間を構成する2本の梁に対して、直行方向にめり込ませるため の桁を挿入するものです。
この工法によって広い無柱空間を実現できました。
また、今回は工法が確定した時から、岐阜県内の林業家や森林組合に大径木の調達について平行して打ち合わせを進めていました。納期3~4ヶ月を要して、ようやく36本の原木を県内関市上之保と、白川町内で調達することができました。
この建物の実現には、林業家や 建築技術者など大勢の関係者のご協力を得ています。
園児、保護者と5月に伐採見学会を9月に製材所見学会を実施しましたが、園児の記憶の中に高さ40メートルを超える木材がどーんと倒れる瞬間が記憶が残っていなくても、増築園舎の遊戯室設けた丸太の柱をみんなで登って遊ぶ中で、木造建築物に使われている木材は、山に生えて いる木(原木)から町で使われる製材までの一本の線でつながっていることを理解してくれることを願っています。
【主な外装】
屋根:ガルバリウム鋼板
外壁: シラスそとん壁
【主な内装】
天井:クロス貼
壁 :杉板(岐阜県産)、クロス貼
床 :唐松(岐阜県産、白鳥林工